【野球のビールかけ】費用はいくら?本物なの?起源や理由も調べました
プロ野球の優勝チームが行う恒例行事「ビールかけ」について、起源やそもそもあのビール自体が本物なのかなど調べた内容をご紹介している記事です。
多くのスポーツで表彰台の選手がシャンパンをかけたりするのは見るけど、よく考えるとビールかけって独特だよね。
うん、日本のプロ野球くらいなんじゃないかな。いつごろからやってるんやろ?
プロ野球優勝チームが行うビールかけ。
もはやプロ野球の恒例行事になっていますよね。
生で見たことはなくともテレビなどで一度は誰もが目にしたことはあるのではないでしょうか。
そんな気になるビールかけの起源や、そもそもあれって本物のビールなのか?について解説していきます!
ビールかけのビールは本物?
チームが優勝すると恒例となっているビールかけ。
選手同士で瓶ビールをもってハイテンションに掛け合っているのを、テレビなんかでもよく見ますね!
ものすごい本数のビールを大量に。。
選手たちがかけてるビールって本物なの?
と思ったことありません?
もしかして水とかではないの?
結論から先に言いますと、ビールかけのビールは本物です。
過去には粗末にしてもったいない!などの理由から幾度か中止されているようです。
ビールかけが行われなかった年の一覧は↓の通りです。
年度 | チーム | 中止の理由 |
---|---|---|
1973年 | 巨人 | 試合終了後に騒動があったため、川上哲治監督の「今日はもう早く帰りたい」の一言で中止。 |
1982年 | 西武 | 前期優勝決定後は行わず。プレーオフ勝利後に行っている。 |
1985年 | 西武 | リーグ優勝決定日に広岡達朗監督が体調不良で欠場していたことから、優勝パーティーはあったがビールかけのセレモニーはしなかった。ただパイ投げなどをする選手が若干名いた。帰京してから広岡監督を交え、改めて祝勝会・ビールかけを行った。 |
1988年 | 中日 西武 | 昭和天皇の病状を考慮して中止。ただし祝勝会は「慰労会」として実施。 |
1997年 | ヤクルト | シャンパンファイト。ビールは使用せず。 |
1999年 | ダイエー | オーナー企業のダイエーが小売業で、「商品として販売するものを無駄にしてはいけない」という中内㓛オーナーの考えから、ビール掛け用にダイエー本社が独自に製作した「祝勝水」(炭酸水)で代用。2000年も同様[21]。 |
2000年 | 巨人 | シャンパンファイト。ビールは使用せず。 |
2001年 | ヤクルト 近鉄 | アメリカ同時多発テロ事件を考慮して中止。 |
2014年 | 阪神 | リーグ2位でのクライマックスシリーズ優勝時、「あくまで日本一への通過点」として開催せず。日本シリーズでは敗退したため、ビールかけは行われなかった。 |
2020年 | 巨人 ソフトバンク | 新型コロナウイルス感染防止のため。巨人は祝勝会自体を開催せず。ソフトバンクの祝勝会はくす玉とクラッカーのみで短時間で終了。日本シリーズ優勝後の祝賀会も同様の措置が取られた。 |
お笑い番組などで食べ物を使ったネタなどはすぐに批判が来ますが、ビールかけもまた然り。確かに本来飲めるはずものを垂れ流して粗末にするのはよろしくないという理由はごもっともだと思います。
だけど、ビールって嗜好品であり飲むこと自体に楽しみを見つける為に作られたものであって食料のそれとは作られる目的も用途も違っていますよね。
そもそも「ビールかけ」とは「祭り」です。民俗学的見地からみる「祭り」の役割は狂喜乱舞をともなう自我の解放です。まったく非合理で非現実的な環境に身をおくことで、日常を忘却の彼方に追いやり、心身を解放し、神々の領域に近づき、再び日常を生き抜くためのエネルギーをチャージするのが「祭り」の役割なのです。
スポーツナビ「非常識だからこそ「ビールかけ」だ!」より
そして、その儀式を加速するためのアイテムが「酒」。もともと「酒」に与えられた役割は味を楽しむことだけではありませんよね。そう、酔うことによる自我の解放、そして日常からの離脱。すなわちその機能は「祭り」とほぼ同じなのです。
とするならば、「祭り」で「酒」を飲むのは当然として、さらにそれを浴びたとしても、「日常からの離脱」を主たる目的とするならば、それは大変理にかなった行為だと言えます。
だからビールかけによってチームがはたまた、観客の人が楽しむことができるのならば、確かに嗜好品であるビールの役割は果たせているのかも知れませんね。
ビールかけの費用はどのくらいかかる?
ビールかけのビールが本物であるとすると気になるのはその費用ではないでしょうか。
球団にもよるのですがビールかけの際に使われる本数は3,000~6,000本と言われています。
すごい数!使用されているのは瓶ビールですから1本あたり大体300円だとすると
300円×3000本=900,000円
最低でも90万円もかかっているということやな!
ただこの費用ですが、ビールメーカーさんが自社の広告宣伝や不良品処分(ラベルがはがれていたりして売れないもの)として球団には無料で提供しているんだとか。
優勝チームは注目の的ですから、そんなチームにビール使ってもらえたらそれはいい宣伝になりますよね!
ビールのCM出すよりもしかしたら効率ええんとちゃうかな?
なぜビールかけをする理由と起源
今や通例となっているビールかけですがそもそもいつ、なぜ始まったのでしょうか。
そもそも日本のプロ野球のビールかけの始まりは1959年南海ホークス(現福岡ソフトバンクホークス)が読売ジャイアンツを破り、都内の中野ホテルで行われた祝勝会の中で、内野手のカールトン半田選手が他のチームメイトにビールをかけたことが始まりです。
このカールトン半田選手は日系二世のアメリカ人で過去にアメリカでのプレー経験がありました。
アメリカには古くからスポーツで優勝した時などにチームでシャンパンを掛け合う「シャンパンファイト」が行われていました。
アメリカ出身のカールトン半田選手が今の日本のプロ野球のビールかけのきっかけを作ったのですね。
いきなりビールをかけられて普通は驚きますが、それが選手たちの緊張を解くのに一役買ったのでしょうか?
ビールかけはすんなりと選手たちに受け入れられ広まっていきました。
【最後に】
プロ野球恒例行事のビールかけについての疑問などをまとめてみました。
優勝までには選手も様々なプレッシャーや緊張感を持ちつつ挑んでいる事だと思います。
そんな中、優勝して行われるビールかけはただの伝統行事と言うよりは、選手達の緊張と不安を解放してくれる一つのツールなのではないかと思います。
今も昔もプロ野球の厳しさは変わらないからこそ、ビールかけもまた時には批判を受けたり、時代の波に呑まれながらも数十年もの間受け継がれているのでしょうね。