【高校野球】転校したら一年間試合に出られないという規制の意味
高校で野球部の部員が転校した場合、転校後満1年間は出られないという規定、いわゆる「転校規制」というものがあります。規制の緩和が求められていますが、この前時代的と思われる規定がそもそもなぜ存在しているのかということを解説しています。
高校野球では名門の仙台育英高校のスーパールーキー、2019年夏の甲子園で1年生ながら4試合に登板し、ベスト8進出に貢献した投手が自主退学したということで、その後どこかの高校へ編入したとしても試合に出られないということで、再び問題が浮上してきた「編入規制」。
そもそも「転校規制」とはどういうものなのか?そして何のために存在しているのか?というを、解説していきます。
高校野球の転校したら一年間試合に出られない「転校規制」とは
日本高野連の「転校規制」とは次のようなものです。
- 転入学生は、転入学した日より満1ヵ年を経過したもの。ただし満1ヵ年を経なくても、学区制の変更、学校の統廃合または一家転住などにより、止むを得ず転入学したと認められるもので、本連盟の承認を得たものはこの限りではない。
- 参加選手は、高等学校在籍3年以下のもの。
メディアで取り上げられるとき、「ただし〜」以降のことは紹介されないので、なんて旧態依然とした団体なんだと思ってしまいますが、良くみてみると親の転勤など本人の意思と関係なく転校することになった場合は問題がないようです。
要するに、高校野球の考え方としてあくまで野球は部活動であって、「勉強より野球を優先する」「野球で進路を決める」ことが歓迎されないというのが表向きの理由です。
ただし、おそらくこちらが本題だと思うのですが、予選で敗退はしたけど良いピッチャーがいて、甲子園に出るために他校に転校するとか、強豪校がお金を積んで引き抜きをしたりとかいうことが起こらないようにしようということが理由なのだと思います。
高校野球の「転校規制」の問題点
ここまで聞くと問題はないように思うけど?
いやいや、レアなケースとはいえ色々と状況はあるわけで、それに対してのペナルティが大きすぎるんじゃないかってことなんです。
その問題となっている点は次のとおりです。
野球だけ「転校規制」に対するペナルティが重い
野球だけが日本高野連の管轄で、他競技を管轄するのは高体連ですが、規制の内容が違うのです。
野球だけ別団体管理というのもおかしな状況なんやけど、そこはちょっと置いとこう!
高体連も「転校規制」があるのですが、期間は半年。野球だけが2倍となっています。
つまり、サッカー、バスケ、ラグビー、バレーなどの種目では、自分の都合で転校しても4月編入なら、冬の全国大会に出られるというわけです。
そもそも「転校規制」というもの自体の考え方が古い
実業団スポーツのラグビーでも「前所属チームの承認がない限り、移籍後1年間は公式戦に出場できない」という規定がありました。
ドラマ「ノーサイドゲーム」で問題になってたね
実業団と高校野球とでは違ういますが、この条件は実業団ラグビーでは撤廃されています。
学校へ通いながら、スポーツに打ち込むことで、プロの選手を目指すという例は、昔に比べればすごく多くなってきています。
野球界の体質や、指導方法については、たびたび問題になりますよね。
現に、同じく日本でプロリーグがあるサッカーでは、転校をする例は多いのです。高校在学にプロ契約があったりすので、通学とプレーが難しいという場合は、通信制課程へ転校します。
サッカーの有名選手で通信制高校を卒業している選手は多いです。
このような状況から「転校規制」というもの自体の撤廃を求める声が多くなってきています。
「転校規制」を撤廃するとお金の力で強豪校が引き抜きをするんじゃないかって声もあるようですね!
高校野球の転校規制を疑問に思っている人も多い
やはり疑問に思っている人も多く、Yahoo!の知恵袋にに質問がありました。
ちなみに年度で切り替わるのではなく、ペナルティは丸一年間なので、2年生が夏の大会が終わってから自分の都合で転校したら、もう試合には出られなくなるということです。
えぇ、結構厳しいルールが待ってるんやー
【最後に】「苦しくても最後までやり切る」が美徳ではなくなった
野球の強豪校に入学したものの、同じポジションに多くの有望選手がいて試合に出られないという場合、そこでの競争に打ち勝つことも大事だけど、試合に出られないというのはマイナス。
プロ選手であれば移籍を考えるような案件です。
高校野球でも同様に、学校を変えることで伸びる選手も出てくることでしょう。
冒頭の自主退学してしまった仙台育英高校のスーパールーキー投手ですが、もう甲子園に出場することはできません。
転校して野球を続けながら大学に進学して、再度プロを目指すこともできるでしょうけど、重たいペナルティですよね。
厳しい選択となりましたが、今後も野球を続けて活躍してくれることを願っています。
では、また。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。